心の介護


高校中退。劣情に負け引きこもる。素直な良い子だったけえが何ん障っただか。

物にあたり、人にあたりで病院あずかりとなる。私等に授かったじゃん私等で面倒みるか。

病院の患者の目つき、挙動が怖く、「出して出して」と訴える。一番良い所にいるだに過ごせん事もないらに。
それでも「出して」とせめつく。場は変わっても一生懸命生きるだよ。昇が元気なら私等も元気でいるで。

それから幾春秋が流れ、親爺さんも倒れ、おふくろも縮まってよったと聞く。そこを90歳で家計をあずかってある。
すまん。

「お父さん、昇にちっと世に働きが出ただよ。」
今度はこちらから声援を送る番だ。

 


(静岡県・N.A/男性)