「病」がくれた家族愛


昨年の晩秋、それは始まった。
私は畳の上で転倒してしまった。少し足に痛みはあったけど、元気に自信はあったので明日になればと思い眠りについた。
翌朝、目覚めたらビリッ!と痛みが走った。
夫婦二人暮らしの私はもしかして入院生活になった時のことを考えて二日間で痛む足に耐えながら、残った夫のことを考えて家事をこなす。 翌日、夫が背中の痛みを訴えたので近くに住む娘夫婦に病院へ連れて行ってもらった。
なんと動脈解離、あと二時間遅れていたら命危なかったと言われ、それから夫は一滴の水も口にすることができず、四十五日間の入院生活です。
夫が入院して二日後、私は別の病院で大腿骨骨折で手術を受けた。最低二週間から一ヶ月は入院が必要と言われてしまった。でも、夫のことが心配で1週間過ぎて、抜糸をしたので無理矢理退院してリハビリをすることもなく、夫の病院へ。
生まれて初めての術後の痛みと心痛で心が折れそうになった。そんな時、娘夫婦と孫は常に私と夫に寄り添って、暖かい声援と介護に私はどれほど元気をもらったことでしょう。
「病」が老いた私に家族の強い絆で結んでくれました。

病がくれた家族の愛の絆。


(福井県・M.H/女性)