ホスピスについて


我が夫は脳梗塞と癌を併発。現在ホスピスに入院。そこは我が家から数分の場所ゆえ、毎日夫の顔を見に行ける。
元々ガッチリした体格の夫が顔も身体も骨と皮になっていく。病院を後にする時はシクシク、ヒリヒリの連続である。
そんなある日、ホスピスのロビーで作業服に身を包んだ清掃員に出会った。背の高い老人というにはまだまだ若い。定年退職後、すぐにその仕事に従事とのこと。
「おはようございます」と、爽やかな声。それに喜びに満ちた顔。この清掃が楽しく、今まで生きてきた中で、一番充実している。そんなご様子。命の、もうすぐ消えてしまう人々から逆に人生で一番大切なものを、頂いた瞬間とおみうけした。


(宮城県・K.E/女性)