母の介護


「どうしてこんな事になってしまったんだろう」突然に、というかあっという間に、いわゆる実母の介護をすることになりました。 元気で前向きで明るい母が入院して退院する時には寝たきりで遺漏をし、話もできなくなっていました。 毎日オムツの取り換え、遺漏での食事、散髪、体調管理、マッサージ、、、失敗もたくさんしました。 元気な母の姿を思い出し涙するときもありました。 でも少し笑ってくれると嬉しくて、調子がよいと嬉しくて、、 そんな日々が8か月ほど続きました。 しかし、だんだんいろんな機能が低下し肝硬変になり黄疸がでて、死ということを考える辛い日々となりましたが 最期は私が看取る。私がいてあげる。と心に決めました。 母に横に寄り添い「ありがとう」の気持ちを伝え、母の娘でよかったことを伝えた翌日 母は私と大好きな孫そして看護婦さんに看取られ静かに息をひきとりました。 私は当時、介護という言葉に違和感がありました。 母は私のために頑張って生きてくれたんです。 私が母を介護していたのではなく、私を母が介護してくれていたんだと気づきました。 そしてすべての事は、在宅介護にかかわってくださった方々、まわりのみなさん、家族、すべての助けがあってできたこと。 私たち親子は幸せでした。 母が逝ってもう2年4か月です。


(石川県・Y.T/女性)