干渉しすぎてはいけない


他人を教育するときには、その人のお父さんやお母さんになったようなつもりで、誠心誠意導いていかなければなりません。真心を尽くすことで、何事も相手の心に深く刻み込むことができるでしょう。

しかし、教育を施す相手に対して、あれこれと細かいところまで干渉してはいけません。どんな人でも、長所と短所の両方を持っているものです。当然ながら、短所を指摘されるのは快いことではありません。それをいちいち取り上げて「ああしなさい」「こうしなさい」などと干渉していたら、せっかく築き上げた人間関係を損なってしまうことにもなりかねないでしょう。

家庭や学校の教育において、「過干渉」が問題になることがあります。親などが細かいところまで干渉しすぎることによって、子供の精神が疲弊してしまうのです。干渉とは自分の価値観を押しつけていることでもあり、そうした強制的な態度は、人の成長によくない影響を与えてしまうのでしょう。

人の短所を見つけたときは、相手の人格を尊重しつつ、さりげなく伝えて注意を喚起する、もしくは思いやりの心でこれを補う程度 にとどめておくべきです。もちろん教育は愛情を込めて熱心に行いますが、干渉というほどにエスカレートさせてはいけないのです。


出典:「三方よし」の人間学