水を与えるよりも、井戸の掘り方を教えよ


困っている人に対して手を差し伸べるのは大切なことですが、なんでも「やってあげる」「してあげる」ということが、必ずしも相手のためになるとは限りません。

「水を与えるよりも、井戸の掘り方を教えよ」という言葉があります。

開発途上国へ援助に赴いて、渇きを訴える人たちに水を与えるだけならば、その水を飲み干した後は皆、再び渇きに苦しむことになるでしょう。

また、ポンプ付きの便利な井戸を「つくってあげた」としても、現地の人の手で管理できるものでなければ、ポンプが壊れた時点で用を成さなくなります。

だからこそ、現地の技術力に見合った井戸の掘り方や、これを維持していく方法を伝える必要があるのです。

同時に、みずからの手で物事を成し遂げることでその人自身が味わう達成感や喜びも、大切にしていきたいものです。


出典:ニューモラル 心を育てる言葉 366日