問題には柔らかく対処する


私たちは、人生を歩んでいくなかで、いろいろな問題に遭遇します。家庭生活でも、仕事においても、地域や国家においても、大小さまざまな問題が発生し続けます。そのたびに、どう対処すればよ いのかを思案しなければなりません。
日々の問題に対してどのように反応するか、どのように対処するかは、その人の性格・性質によって異なります。
「例えば大きな事業に成功するような人は、金額の大きな取引や、リスクの大きな仕事に取り組むとき、決して慌てることなく、泰然とした態度で最良の結果を導き出そうとします。ところが同じ人物が、日常の小さな出来事には変にこだわって、すぐにイライラして怒ったりするケースもあります。
あるいは未熟で思慮が浅い人もいます。そういう人は、大きな問題がのしかかってきたとき、じっくりと構えて熟慮することができ ません。他人の影響を受けて簡単に答えを出してしまったり、問題から逃げ出したりします。ところが他人から見れば小さな取るに足 らないことに執着して、気長に取り組んだりしているのです。
大きな問題に対しても、小さな問題に対しても、慈悲の心を抱き ながら、最適の答えを導き出していくべきです。春の日差しのよう に柔らかい気持ちで、物事に対処していきましょう。


出典:「三方よし」の人間学-廣池千九郎の教え105選