心の中の「労」を思う


「老」という漢字は、腰が曲がり、杖をつく老人の姿をかたどったものです。同じ部首「おいかんむり」を持つ漢字には、子供が年老いた親を背負っている姿を表す 「孝」の字や、考慮・考察などの熟語に使う「考」の字があります。
人は年を重ねるごとに人生経験や知識が増えて、若いときより物事を多角的に考えられるようになるものです。その反面、思慮深くなればこその心配事もあることでしょう。また、若いときほど身体の自由が利かなくなることで生じる不安もあります。
そうしたさまざまな心配や不安を癒し、お年寄りの心を満たすことができるのは、 家族をはじめとして、周りの人々が寄せる優しさではないでしょうか。人が抱えている心配事や心の中にある苦労は、外からは見えづらいものですが、そうしたことにも思いを馳せていきたいものです

 


出典:ニューモラル 心を育てる言葉 366日