「よい行い」と「よい心づかい」


毎日、何か一つでも「よいこと」をして、それをノートに記録するという宿題を出された中学一年生の秀一君。最初は張り切って家の手伝いをたくさんしたのですが、今では玄関の掃除と夕食の後片付 けだけ。毎日同じことを書くので、正直、つまらない……と思っているようです。周りの友だちも「わざわざ新しいことを探すのは面倒で……」「初めは手伝いをするとお母さんが褒めてくれたけど、今は『手伝いなさい。ノートに書くんでしょう』と言われて、仕方なく……」と言います。

せっかくの「よいこと」も、やらなければならない、という気持ちで行うのでは、やっている自分自身が楽しくないことはもちろん、された相手もうれしく感じないかもしれません。形のうえではよい行いをしていても、そのときの自分の心はどうだったか――日々、自分自身の心を見つめていきたいものです。

(三九二号)


出典:ニューモラル-心を育てる言葉366日