“長いようで短いものが夫婦かな”


俳優の森繁久弥さんがエッセイにこう書いています。

「夫婦は、二人乗りの自転車に乗っているようなものだ。どちらかが漕がなければ自転車は倒れる。

主に男がしっかり漕ぐのが常道とされているが、これがまた時々よそ見をして、妻の望まぬところへ眼がゆき、

ハンドルが曲がるのだが、それでも二人で懸命に漕いでゆくのが人生だろう。

長いようで短いものが夫婦かな”である」。

悠久の過去、悠久の未来を考えれば、人の一生は閃光のようなもの。

夫と妻の生活も五十年や六十年という、ほんのわずかな時間です。

しかも、広大無辺な宇宙の一点で縁あって出会った夫、そして妻なのですから、

互いに思いやりを持ち、短所を補い合いながら、日々よりよい夫婦になっていきたいものです。 


出典:ニューモラル 心を育てる言葉一日一話