心の持ち方一つで


会社員のKさん(5歳)は高校三年生のころ、大学入試の直前に事故に遭い、入院したため、その年の受験はできませんでした。しかし“この経験をばねにして伸び上がろう”と心機一転、努力の末に、翌年には志望校に入学。大学卒業の際の就職活動にも“同級生より遅れて社会に出るのだから”という思いで一生懸命に取り組んだといいます。

そして今、晴れて結婚式を迎えたKさんは、「事故がなければ今の会社 に就職したかどうかも分からないし、妻との出会いもなかったかもしれない。けがをしたからこそ今の自分がある」と振り返ります。

長い人生、時には予期せぬ困難に直面するものです。ひとたび生じてしまった事態は元に戻せませんが、自分自身の心の持ち方一つで、その経験も「人生の土台」という、意義あるものに変えることができるのではないでしょうか。

(五一七号)


出典:ニューモラル-心を育てる言葉366日