介護とは?


人は遅かれ早かれ介護する側介護される側に立たなければならない。不治の病を宣告された患者の介護ほど、辛いものはない。どんな介護をしてもしなくても、患者の行き着く先はただ1つ、決まっている。介護の処方箋は無い。何をなすべきか、なさざるべきか。目の前でもがき苦しむ患者の姿を目にし続けていると、気持ちが疾風怒濤(シュトルムウントドランク)狂乱の境地に陥る。早く楽にしてあげたい。ご臨終です、と医者の言葉を早く聞きたい。こんな残酷な思いが頭を駆け巡る。同時に、奇跡は起きる、退院し笑って暮らせる時がきっと来る、と言う思いと並んで頭を駆け巡る。二律背反に苦しむのが介護者の心理であることを痛感した。体験者is共感者だろう。見舞いに来た鬼の上司が、患者の姿を見て、患者の結末近しと見てとったのだろう。「仕事の事はいい。側について居てあげてください」と優しい言葉を残して部屋を出て行った。介護とは?悶々としても悶え苦しんでいた俺の目が、上司の一言でぱっと目が覚めた。介護とは、側にいるだけでそれ以上の介護も、それ以下の介護もない。二律背反に苦しむのが介護者の心理であることを痛感した。体験者is共感者だろう。見舞いに来た鬼の上司が、患者の姿を見て、患者の結末近しと見てとったのだろう。「仕事の事はいい。側について居てあげてください」と優しい言葉を残して部屋を出て行った。介護とは?悶々としても悶え苦しんでいた俺の目が、上司の一言でぱっと目が覚めた。介護とは、側にいるだけでそれ以上の介護も、それ以下の介護もない。一般の人間関係にも当てはまる。そばにいるだけで良い。人間関係、人間の絆、これこそ理想の絆だと思う。介護も人間関係も難しいことでは無い。そばにいるだけでいい。そばにいて欲しい人間であればいいと思う。


(岐阜県・K.H/男性)