必要に応じて妥協もする


人間関係は、どんな場合でも、お互いの間で「調和」が保たれて いることが理想といえるでしょう。調和を保つためには、まず、日頃からお互いに意志の疎通がとれていることが必要となります。常に会話をし、相手が何を考えているのかを理解し、相手の立場を理解したうえで行動するということです。
また、慈悲の心に基づいて、精神的にしっかりと和合しているこ とも大切です。例えば相手の情報を知っていて、頭では理解してい るが心の底では納得していない、という状況があるとします。表向きは争っていなくても、心の中は和合していません。それではいつか不満が募って、調和が保てなくなる可能性があります。夫婦間、家族間、友人同士、同僚、上司と部下など、あらゆる人 間関係が調和した状態にあれば、あらゆる物事がスムーズに運ぶの ではないでしょうか。
「人それぞれ考えが異なりますから、意見がぶつかるときもあるはずです。どうしても相手の考えを許せないと思うこともあるはずです。そんなときでも、争いは絶対に避けるべきです。まずは平和的に物事を進めていくため、折れるところは折れ、妥協点を探ること も必要でしょう。争うくらいなら、まず妥協し、相手への尊敬の念 を失うことなく、相互に調和できるように努力していくのです。


出典:「三方よし」の人間学廣池千九郎の教え105選