病から学ぶ


私たちは、「病人は気の毒なものだ。好きなものも食べられず、体も動かせず、好きなところへも行けない」と思いがちです。この考えの裏には、病というものを否定する、病に対する嫌悪感というものがあるのではないでしょうか。つい、病気をどうしようもなく悪いものと思い込んで、病んでいる人の気持ちを忘れて、自分とは関係のないもののように遠ざけてしまいがちです。病んでいる人は、いろいろんマイナス要素を抱え込んでいるものですが、病気を得ることによって、それまで当たり前だったことがそうではなくなり、家族の愛情や、みずから受ける諸々の恩恵に気づき、感謝という意味が分かってくることもあるのです。病を得て学んだり、気づくことの大きさも理解したいものです。


出典:ニューモラル-心を育てる一日一話