この世に生きた証として


明治・大正期の宗教家であり、思想家であった內村鑑三は、その著書の中で、「私がこの地球を愛した証拠を置いて逝きたい。私が同胞を愛した記念碑を置いて逝きたい。それゆえに……われわれがこの 世の中にある間は、すこしなりともこの世の中を善 くしてゆきたい」(『後世への最大遺物』)と述べています。
私たちもまた、自分がこの世の中に生きている証として、人に苦しみでなく、無関心でもなく、喜び を与えてゆきたいものです。
人の一生は楽しく愉快なことばかりではありませ ん。だからこそ、自分の心にも、他人の心にも、明 るい喜びが増えるように努力できる人間になりたいものです。


出典:ニューモラル 心を育てる言葉 366