広く、深く、道徳を浸透させる


私たちが生きている社会を少しでもよくしていくのは、私たち自身の役割、使命であるといえます。この世界に生まれ、自然や人類の歴史、国家、先祖から受けた恩恵に感謝し、自分たちの子孫に明 るい未来を残していくためです。

では、どのような方法で社会をよくしていけばよいのでしょう か。それは、一人でも多くの人間が道徳的な信念や生き方を身につけ、利己心を克服していけるようにすることです。誰もが利己心をなくせば、常に自分以外の人たちを尊重するようになり、社会から争いの種がなくなっていくはずです。

利己心を克服した人を増やしていくには、できるだけたくさんの人に道徳的な考え方や生き方を広めていく必要があります。そのためには、例えば学校教育の場で、諸聖人たちの教えを子供たちに教 えていくことも重要でしょう。出版活動やテレビ、ラジオ、その他さまざまな手法を活用して、広く啓蒙活動を展開するのも有効で す。 単に広めるだけでなく、一人ひとりが道徳的な生き方を深く掘り 下げ、日々実践していけるようにしなければなりません。そのためには、個人レベルでの感化・指導が不可欠です。道徳を人々に浸透させていくには、「広く」「深く」の観点が必要なのです。


出典:「三方よし」の人間学