周囲に向ける「心のゆとり」


慌しい日常生活の中では“自分さえ良ければ……” “私が先でなければ……”という、自分優先の気持ちになりがちです。しかし、周囲の人々と互いに心地よく暮らしていくためには、自分の欲求を「腹八分」に抑え、「二分のゆとり」を他に向ける暮らしを心がけたいものです。例えば、後から来る人のためにドアを開けて待っておく。これは先を急ぐ気持ちを少し抑え、そこで生まれた「時間のゆとり」を他に譲る提案です。あるいは、お財布の紐を少しだけ絞り、そこで生まれた「お金のゆとり」を親孝行や地域社会のために使ってみるのもよいでしょう。

目に見えなくても、私たちの何気無い日常の裏には多くの人々の支えがあるものです。“他のおかげで生かされている”という自覚から感謝の心が芽生えたとき、周囲に温かい思いを向ける「心のゆとり」が生まれるのではないでしょうか。


出典:ニューモラル「心を育てる言葉366日」