愛は相互認識


日本では昔から、妻が夫に従う夫唱婦随が理想とされてきました。そして家族の平和も、妻の素直さ、従順さによって保たれてきたことが多かったようです。妻にとっては、その素直さ、従順さは時にはタテマエであって、不平・反抗の心を隠した忍従がホンネであったこともあったでしょう。

犬養道子さんは、「愛は相互認識である。」といっています(『男対女』中央公論社)。つまり、愛というのは、お互いが相手を認識し、理解していることであるということです。

相手を認識するためには、夫も妻もお互いに、自分が気に入るように相手をひっぱるのではなく、それぞれの役割を認め合い、尊重しながらお互いを思いやる心が大切でしょう。

(一五〇号)


出典:ニューモラル-心を育てる一日一話