慈悲の心は父母の心


万物を慈しみ育てる大自然のように、優しく相手を包み込み、思いやる慈悲の心は、「父母の心」にも通じるものがあります。誰に対しても、どんな場合でも、そうした心づかいで接したいものです。相手を癒し、幸せな人生を送ってもらえるように努めるのです。慈悲の心とは、次のようなものと考えてよいでしょう。

  1. 人を愛することを第一とし、金銭・物品・事業などについては二の次に考える。
  2. 公平かつ普遍的に人間を愛する。
  3. 親心を持ってすべての人を育て上げる。
  4. 恩人に対して心から感謝し、その恩に報いる。
  5. すべての人に対する深い思いやりの心であり、理性と感情が調和した状態で発揮される。
  6. 苦労をして得た成果を、他人にも惜しみなく分け与える。
  7. 決して物事を独占しようとはしない。
  8. すべてのことに対して建設的に取り組む。
  9. 他人に対して好感、満足、安心を与えるように接する。
  10. 常に相手を責めず自己に反省する。

一人でも多くの人が慈悲心を持ち、品性を高めて、真の意味で人間が尊重される平和な社会をつくっていきたいものです。


出典:「三方よし」の人間学-廣池千九郎の教え105選