大切な「親との時間」


「親孝行したいときには親はなし」という古言が生まれたのは、平均寿命が今よりずっと短かったころのことです。しかし、長寿の時代を迎えた今でも、親を看取った後にもっとよくしてあげられたらよかったという思いにさいなまれる人は、少なくありません。

成人した子供が親と一緒に過ごせる時間は、意外に短いものです。
例えば四十歳前後の子供が、離れた場所で独立して暮らしていたとします。その親が六十代後半であれば、現在の平均寿命から考えて、親の寿命はあと二十年というところでしょう。
仮に、親子が顔を合わせて一緒に過ごす時間が一年間で十日、一日につき九時間だとすると、二十年間では千八百時間、七十五日分ということになります。
この限られた時間をどのように過ごすかを、大切に考えていきませんか。

(五〇三号)


出典:ニューモラル-心を育てる言葉366日