「いざというとき」に物を言うのは


近年、東京のベッドタウン化が進み、新興住宅地と昔ながらの町が併存するようになったK市。ここで消防団活動に参加しているIさんには、気になっていることがありました。それは火災発生時の住民の対応が、地域によって大きく異なることです。

鎮火後、近所の人たちがおにぎりや飲み物などを出し合って、火災に遭った家族に差し入れをしたり、お互いに協力しながら一緒に後片付けをしたりする地域があります。ところが住民同士のつながりが薄い地域では、特に目立った動きをしない場合も多々見受けられるのです。このような地域では、火災が起こっても住民の安否を確認するのに手間取る場合があるということです。

いざというときに私たちを支えてくれる、人と人との「つながり」。それは日常的なふれあいによって築かれ、培われていくものなのです。


出典:ニューモラル 心を育てる言葉366日