次の世代に伝えるもの


人生の後半期には、前半期とは少し違った課題があります。

それは、前半期に培ってきたものを次の世代に伝え、譲り渡していくことではないでしょうか。

昔は農業・漁業・林業でも、物づくりでも、商売の道でも、親から子へ、高齢者から若年者へと、

その仕事の知識や技術、経験や知恵が伝えられてきました。

古来、次代を担う若い人たちは、まず親や職場の先輩・上司など、前の世代の人からその経験と知恵を学び、

それを真似て、身につけることから始めてきたのです。

また、次の世代に伝えるものは、仕事や文化ばかりではありません。

わが国の歴史や郷土の先人たちの歩み、

そして、それらと分かちがたく結びついた一人ひとりの人生の歩みそのものも、

重要な要素でしょう。

伝える側・伝えられる側が互いを尊重し合い、信頼感を育みながら、

これらを大切に譲り渡していきたいものです。


出典:ニューモラル 心を育てる言葉 366日