夫婦が仲睦まじく暮らすには、相手の欠点ではなく「美点」を見つめる姿勢が大切 です。Kさん夫妻は、自身が手本とする兄夫婦の姿について、こう語っています。
「母の葬儀の際、兄たちは頂戴したお香典を防犯の点から、わざとなんの変哲もない お菓子箱に入れておいたようです。ところが姉は忙しさから、どこに置いたか忘れてしまった。姉が『どこにあるのだろう』と焦っているのを見かけた兄は、『そこがお前のいいところやけどな』と優しく言って、一緒に探し始めたのです。私は、兄のそのひと言に心打たれました」
Kさんたちは感謝の心の大切さを、日々、父親から説かれてきたといいます。相手を自分の大切な人と思い、感謝の心で接していれば、必ず「美点」は見えてくるので はないでしょうか。感謝の心こそ、相手との距離を縮めていくのです。

出典：ニューモラル 心を育てる言葉 366日