介護
弟のやさしさ

「お父ちゃん、もう塩は一生買わんで大丈夫やで!」
実家の台所の棚の扉に大きな貼紙。扉を開けると大量の塩が入ってました。
弟が書いた貼紙でした。
父は親族発作で急死してしまいましたが、認知が始まっていたのでしょう。
父と弟は長い間確執がありました。上から抑えつけるように話をする父に弟が反発したのでしょう。しかし、一人暮らしの父の様子がおかしくなり始めてから度々面倒をみていたのは弟でした。
「お父ちゃん、かわいらしいよ。」
父は急死しましたが、前日も会っていた弟は「何も思い遺すことはない」と言っていました。
かわいらしくなった父と大人になった息子のかけがえのない1年がそこにはあったのだと思います。
「お父ちゃん、もう塩は一生買わんで大丈夫やで」
弟のやさしさに胸が一杯になりました。
(東京都・K.T/女性)











