介護
要介護2の認定を受けた父
今年90になる父は、昨年要介護2の認定を受けた。そんな父だが、5歳年下の母には強く当たるが、娘の私のいうことには比較的耳を傾ける。血圧を測ろう、ご飯を食べよう、できるだけきれいに食べよう、など。以前から父はいただきます、ご馳走様、を言わない。
おそらくレビー小体型認知症だとの診断であった。猫が布団に入ってくる、蛇がいる、など理解できないことをつぶやく。 私はどちらかというと父に頼りきりだった。失敗しても受け入れてくれる親がいる。それは大きな安心感だ。私は残念ながら、未婚で子もいない。独身の先輩は、何も悩みがない、と笑顔でいうが私は寂しい。子どもが大好きな父なら孫をどんなにかわいがりたがっただろうか。結婚しているがやはり子ができない妹も同じことをいう。唯一二人娘をもつ兄は、仕事人間で今でも単身赴任、コロナの風もありなかなか帰省できない。
私は、小さいころから個室を与えられ、何か気に入らないことがあると部屋にこもって読書したり、絵をかいたり、自分ひとりの世界に逃げ込むような子どもだった。父のことがなければこんなに母や兄妹と話すことはなかったろうと思う。そして、情報をもらうために誰かに頼る、ということも。
父は信心深いわけではないが、納骨堂を購入し、家族を寺につなげてくれた。なぜ生きてるうちから仏壇など買うのだというひともいるが、ときおり行われる仏事に参加させてもらうとありがたいと癒されるのが同居している母と話している。
(長崎県・M.H/女性)