人に忠告をするとき


人をたしなめようとするとき、気をつけなければならないのはどんな点でしょうか。自分は正しいことを言っている、自分は悪くない――そうした思いが強いときほど、自分の思いにとらわれ、相手の気持ちや周囲の状況が見えにくくなります。
しかし、相手の言動などの表面的な部分だけを見て責め立てるのでは、それがどれほど正しい忠告であっても、相手は「非難された」ということ自体に抵抗を感じるでしょう。
誰でも自分のことを否定されれば、悲しく嫌な気持ちになるものです。
そうして 「心の扉」が閉ざされると、お互いを理解し合うことは難しくなります。

「心の扉」は「自分を理解してもらえた、と実感したときに開かれ、そのとき相手への親しみや信頼が増していきます。自分の思いを一方的に通そうとするのではなく、まず自分から、相手の心や状況に思いを馳せることを心がけたいものです。


出典:ニューモラル 心を育てる言葉366日