父母の年は知らざるべからざるなり


『論語』(里仁篇)には、「子曰く、父母の年は知らざるべからざるなり。一はすなわち以て喜び、一はすなわち以て懼ると」とあります。
子として、父母の年齢は知っていなければならない。それは、この年になってもまだ達者でいらっしゃるのかと、その長寿を喜ぶためであり、もう一方ではこの先の心配をするためだ――そこには、若くして親を失った孔子の「君たちは父母が生きているというだけで、たいそう幸せなのだ」という思いも表れているように思えます。
私たちにとって、親とは非常に大きな存在です。自分にいのちを与え、養い育ててくれた親からは、自分自身が成長し、自立してからも、人生を歩むうえで大きな影響を受けることでしょう。その親が年老いていくときにこそ、これまで見てきた親の後ろ姿や、注いでもらった愛情の深さを思い起こしたいものです。


出典:ニューモラル-心を育てる言葉366日