春の陽のように穏やかに


ある飲食店で働くA子さんは、帰るお客さんの後ろ姿に向かって、

「ありがとうございました」という言葉の後で、“どうぞお幸せに”と念じているそうです。

これはA子さんが幼いときから、お父さんに「どんな人にも、その人の幸せを願う気持ちで接することが、

結局は自分自身の幸せにつながる」と教えられてきたからです。

心づかいは目に見えるものではありませんし、その実行の結果も、多くの場合、すぐに表れてはこないでしょう。

しかし、温かく慈しみのある心づかいは、やがて春の陽のように穏やかに、人々の心に浸み込んでいくのです。

そのためには、家庭や職場で、まず自分から温かい心づかいを実行していくことが、

幸せへの第一歩を踏み出すことになるのではないでしょうか。


出典:ニューモラル 心を育てる言葉一日一話