小事をおろそかにしない


よりよい生き方を目指すなら、もともとの性格や性癖をそのまま放置しておくわけにはいきません。注意すべきポイントをいくつか挙げておきましょう。

例えば、ビジネスにおける重要な判断は慎重で冷静に下せるのに、ちょっとしたことで部下を怒鳴りつけるなど、すぐに怒りを露にする人がいます。すでにある程度の成功を収めた人であれば、周囲はそんな性格を許容してくれることもあります。しかし、たとえ小さなことでも感情的にならず、周囲への配慮を忘れないように自分を律していかなければならないでしょう。

あらゆる規則をしっかりと守ることも重要です。「これくらい、いいだろう」と、小さな違反を平気で犯しているようでは、ほかの場面でどれほど善行を積んでいようとも、誠実な生き方をしているとはいえません。

与えられた仕事をもっと早くできるのに、つい怠けたり、後回しにしたりする人もいます。そうした怠け癖を克服して、何事においても素早く取り組むことが大切です。

事の大小は関係ありません。修正していくべきことは、自らの責任において改善していくのです。このように心がければ、人生はより素晴らしいものになっていきます。


出典:「三方よし」の人間学-廣池千九郎の教え105選