介護から学んだ日々の感謝


「ありがとう」 今は亡き祖父の笑顔が、僕の脳裏に甦る。

「おおきに」今は亡き祖母の笑顔が、僕の胸の奥に甦る。

僕は、高校生の頃から二十代の半ばまで、祖父母の介護と看取りを体験させていただいた。

暑いの日、凍える冬の日、豪雨の日、台風の日の苦労や、祖父母の体調の悪い日、機嫌の悪い日の配慮など、三十代の現在から振り返れば、すべては貴重な体験であった。その教訓を一言で表現すれば、「自分の喜怒哀楽を忘れて、常に相手の立場を思いやること」に尽きると思う。

「お母さん、ありがとう」

 反抗期でもあった当時の未熟な僕を、いつも 支えてくれた母には、心より感謝している。


(兵庫県・K.Y/男性)