私たちの三つの義務


人生は一度限りです。過去に戻ってやり直すことはできず、いつかは必ずこの世を去らなければなりません。このかけがえのない人生において、私たちはどう生きればよいのでしょうか。

まずは、人としての理想的な生き方を目指しましょう。具体的には、諸聖人たちの教えを学びながら高度な道徳心を身につけていきます。日々の生活の中で徳を積み、「品性の向上」に努めていくこ とも大切です。さらに自己の職務に全力を尽くし、この世における 「個人としての義務」(納税・教育・勤労)を果たすのです。

また、人間は「社会」という集団の中でしか生きられない生き物です。お互いに協力し、円滑で、幸福で、平和な社会を築いていか なければなりません。よりよい社会をつくるには、一人ひとりの人権を尊重しながら、仕事を通して人々の幸福の増進を図っていくことです。

さらに所属する団体や国家の道徳的水準の向上にも貢献 し、「社会における義務」を果たしていきます。 この高度に発達した人間社会は、一朝一夕で成ったものではありません。人類の何万年もの歴史を通して築かれたものであるといえます。その歴史を途絶えさせることなく未来へつなげていくのが、 私たちに課せられた「歴史に対する義務」なのです。 誰もが誠実に義務を果たせば、必ず未来は拓けていきます。


出典:「三方よし」の人間学