糸〜ずっと繋がっているよ~


平成28年6月22日、アルコール依存症で、認知症の父親が、6月16日の67歳の誕生日を迎えて、1週間もしないうちに自宅トイレで急性心不全で死亡した。
1年前の平成27年6月ごろから、父親の様子がおかしくなってきた。私はその父親の息子・長男の拓也(当時37歳)と申します。私は、父親と元気な母親と同居しながら当時は、障がい者支援施設の支援員として自宅から親の車で通勤していました。いつも、仕事へ行く時には、父親が車庫から車を出すのが日課になっていました。

ある早番の前日に、私は父親に「明日、仕事朝早いから、早めに車を出してね」とお願いしました。

愛犬は、その日、病気で亡くなりました。特に父親に懐いている愛犬でしたので、父親がショックを受けて、涙を流して、アルコールに、はしりだしました。

そんな父親は、消防士で、人助けのプロでかなりの心配性でした。60歳で父は定年を迎え、アルコールに溺れていったのでした。父親の口癖は、「俺の金で飲んで何が悪いんだ!」と、母と私に怒鳴り散らす日々が続いていました。そして父親に「車は?」と聞くと「もう、売り払ったから無いぞ!」と言われ、鳥肌が立ちました。勿論、車は車庫にあります。

それからというもの、父親は日付や食事したかも、忘れる様になっていき、ある、お馴染みのスーパーの帰り道に、突如、家へ帰る道を忘れるなど、母と私と、嫁に行った妹と3人で、父親の看病をしていました。お酒を飲んで、外に飛び出し、大声で怒鳴り散らかす父親を必死で取り押さえ、壮絶な介護をしていきました。

「お父さん、安らかにね」と、棺桶に、お酒をプラスチック容器に注いで、お別れをしました。そのとき流れた音楽は、中島みゆきさんの「糸」でした。

「ありがとう。」

 


(北海道・T.N/男性)