明治生まれだったおばあちゃん


明治生まれだったおばあちゃんは、93歳で亡くなった。認知症でごはんを食べたのに「メシはまだかい?」とよく言っていた。介護といっても、おばあちゃんは家の隣に住んでいて、ごはんを作って持っていってあげたりしていたので、手はそんなにかからなかった。しかし、俳諧をして自宅から少し離れた高校の桜を見に、1人で出掛けてしまったりしていた。こう言うのは酷だけど、おばあちゃんは車に乗るのが嫌いな人だったので、旅行なんて一回も行った事がなかった。そう考えてみると、かわいそうだなと今思い返すとつくづく考えさせられる。
「腹がいてえ。」「とてもうまい。」「早く家に帰りたいな。」とよく言っていた。
「姉さんは元気かなぁ。「もう死んだよ!」「そうかい、良い姉さんだったのに・・・。」と何回もくり返し言っていたのを覚えている。切ない思い出だ。


(群馬県・Y.T/女性)