独りを怖がらない


ヘルパーをしています。いろんな人と出会うことで、こっちが勉強させてもらっています。
まず、独身で兄弟も子供もいない私は安心させられました。
というのも、独りでどうすりゃいいのと思っていたのですが、ヘルパーで行く先々の方々も独りだからです。結婚していても夫に先立たれ結局一人。子供がいても訪ねて来ることなく一人。兄弟がいても疎遠。
どんな人生を送っても、老いたら一人になるケースが多いのです。私は始めから一人ですが、利用者さんには家族親族がいるぶん、私よりも孤独を感じているかもしれません。
誰かを待っている、そんなふうに見えることもあります。
介護とはそういうものなのでしょう。
される側は誰かをまっている。誰もいなくても、誰かを待っているものです。
だから、人間、仕事とはいえ誰かを支え、世の中が回っています。
私は思います。
一人は寂しいか? 寂しいのは事実ですが、皆が独りになります。
だから、独りを嘆く必要はない。独りを嘆くのは時間と気持ちの無駄なのです。
私は介護をすることで、独りを怖がらない、そう学んでいます。


(福島県・E.S/女性)