母への表彰状


あなたと2人で実家を支え続けてきた姉が、がんで入院してしまいました。
あなたは混乱した姿を見せませんでしたね。
ガンが脳に達してしまい、姉は感情のない、別人格の人になってしまいました。
その日から毎日、あなたは夜毎、しくしくと泣いていましたね。
九十三歳になるあなたのそういう姿を見て、私はこの世の終わり、そして、あなたの死を感じました。
放射線治療が功を奏して、ガンが小さくなっていきました。それと共に普段の姉が帰ってきました。ぎりぎりの奇跡でした。
あなたは身体が不自由なのに、掃除・炊事・選択などの家事一切を、姉のために練習し始めましたね。
そして、あなたも再び、生き返りましたね。
自分の寿命を超えて働くあなたの姿に、心から表彰状を送ります。


(静岡県・T.I/60代・男性)