過去と未来をつなぐ私たち


人は、自分一人の力で人生を全うすることはできません。私たちのいのちは、はるかな昔から、多くの先祖たちによって親から子へ、子から孫へと受け継がれてきたものです。また、周囲に目を向ければ、家族以外にも学校や職場、地域社会でふれあう人など、さまざまな人とのつながりの中で支え合って生きていることに気づきます。そうしたことを自覚すれば、「自分の人生なのだから、どのように生きても自分の自由だ」と言いきることはできないでしょう。

草木は大地にしっかりと根を下ろしてこそ、強く大きく育っていけるものです。私たちの人生も、親祖先はもちろん、そのほかにも自分が受けてきた数々の恩に感謝して、その恩に報いる心を持ったとき、途中にはどのような困難があったとしても、ついには未来が開かれていくのではないでしょうか。

(五〇二号)


出典:ニューモラル-心を育てる言葉366日