3人の子供たちへ


母は76歳になりました。76年も生きてきたのに、平平淡々と過ごしてきたので何一つ送れるものはありません。敢えて言うならあなたたち3人に育てたことです。いえいえ育てられたなんておこがましい言い方はやめておきましょう。
あなたたち、ひとりひとりが自分の力で上手に育ってくれたのです。ありがとう。これからも体に気をつけて、それぞれの道を歩んでください。
この後も、母は何も残すものはありません。あなたたち3人が唯一母の遺産です。どう生かすか、それはあなたたち次第です。母は後しばらく穏やかに日常を楽しみたいと思っています。ではご機嫌よう。さようなら。


(奈良県・E.N/70代・女性)