弟へ


お姉ちゃんが突然、遠いところにお嫁に行ってしまって、さぞ淋しかったことでしょう。物心ついた頃から、いつも一緒にいたのにね。年がだいぶ離れて小さかった君には、残酷だったかもしれない。私はまだ若く、毎日が楽しくて、自分の幸せだけを求めていて、君の心に与える影響とか悲しみとか、全然考えていなかった。
お姉ちゃんがいつもそばで守っていたから、大人になり切れずに世の中に甘えていた君が、いつの間にかしっかりもののお父さんになったね。お姉ちゃんがいなくなったことは、もしかすると、君に強い人間になってもらうための神様のお導きだったのかもしれない。
これからは、遠くで見守っています。


(兵庫県・K.S/50代・女性)