子どもへ


生まれたころは、泣いてばかりで、手がかかって、いち早く育ってくれないかなあと、夫婦で思う毎日だった。しかし、二十二歳になって、いざ巣立って家を出ていくとなると、何故か寂しい気持ちだ。外では荒波を受けることだろう。まあ、嫌になったら、家に帰ってこい。部屋は空いてるぞ。


(京都府・T.M/60代・男性)