息子へ託す父の生きざま


息子へ託す父の生きざま

遠く離れた地に働く息子らは、もう数年故郷のわが家に帰れないでいる。
彼らのために建てただだっ広い一軒家が、いまは死んだようにひっそりしている。

これはダメだと、書店で働いた青春時代の財産である千五百冊の蔵書を整理して施設図書館を開設。庭も開放して地域のふれあい広場にした。

君らの父親はこんな一面も持っている。
いつかここへ戻って来て、親父の生きざまに思いを巡らせ、無口で頑固だけではなかったと笑ってほしい。


(兵庫県・S様/60代・男性)