モラル
なせばなる
「勇なるかな勇なるかな、勇にあらずして何をもって行わんや」 これは、江戸時代の儒学者・細井平洲が、財政破綻寸前の米沢藩の藩主に就任する 直前の上杉鷹山へ贈った言葉です。
鷹山はその教えを胸に、藩の財政改革に取り組みます。江戸での生活費を千五百両 から二百両まで減額するなどの倹約を行い、城内につくった畑をみずから耕すなどして民を励ましました。古参の家老との対立もありましたが、鷹山は改革を推し進め、 財政再建の基礎を築きました。そして、次の藩主に家督を譲る際には「なせばなる、 なさねばならぬ何事も、ならぬは人のなさぬなりけり」との教訓を与えたといいます。 私たちも「よいこと」をしようとするときにはためらうことなく、「なせばなる」の心意気で、勇気を持って取り組みたいものです。
出典:ニューモラル 心を育てる言葉 366日