病気になんて、負けてたまるか!


おかあさん、「家族」は世界で私とお母さんしかいないのに、重い病気になってしまってごめんね。
死んじゃったお父さんと「おかあさんを守る」って約束したのに、全然できてないよ。
真夜中の病院のベッドで両腕を点滴されながら思うのは、おかあさんがお仕事の後で様子を見に来てくれること。
ただでさえお仕事が大変なのに、毎日来なくていいよって言っても、毎日来てくれる。
ごめんね。でも、本当はすごくうれしいよ。でも、無理しないで。でも来てくれると嬉しいの。馬鹿みたいだね。
馬鹿でもいいや。おかあさん馬鹿になる。世界一馬鹿になって、世界一おかあさんを幸せにする。
だからもうちょっと待ってね。世界一の馬鹿になるために私は勝つよ。
病気になんて、負けてたまるか!


(東京都・K.S/30代・女性)