それは、前半期に培ってきたものを次の世代に伝え、譲り渡していくことではないでしょうか。
昔は農業・漁業・林業でも、物づくりでも、商売の道でも、親から子へ、高齢者から若年者へと、
その仕事の知識や技術、経験や知恵が伝えられてきました。
古来、次代を担う若い人たちは、まず親や職場の先輩・上司など、前の世代の人からその経験と知恵を学び、
それを真似て、身につけることから始めてきたのです。
また、次の世代に伝えるものは、仕事や文化ばかりではありません。
わが国の歴史や郷土の先人たちの歩み、
そして、それらと分かちがたく結びついた一人ひとりの人生の歩みそのものも、
重要な要素でしょう。
伝える側・伝えられる側が互いを尊重し合い、信頼感を育みながら、
これらを大切に譲り渡していきたいものです。
出典:ニューモラル 心を育てる言葉 366日
]]>また、「社会の質、レベルは、老人の扱いによって判断される」 とも述べました(「毎日新聞」 昭和63年6月5日)。
高齢化がますます進む現代の日本。
お年寄りが人生の先輩として尊重される、優しい社会にしていきたいものです。
お年寄りが大切にされる社会は、子供も、若者も、熟年も、男性も、女性も、皆が生き生きとして共に生きる社会でしょう。
そのためにも、まずは家族のつながりが生き生きとしたものになるよう、改めて心がけることが大切ではないでしょうか。
出典:働く人の心を磨くモラルBIZ 第45号
]]>ゴムまりの内側から押し返してくる力を感じます。
この力は、押しつけた力とまったく正反対の方向から同じ力で押し返してくるのです。
これとよく似たことが、毎日の生活の中にはたくさんあります。
たとえば、母親が子どもに「お手伝いをしなさい」という押しつける力を加えると、
子どもは「いやだ」と、不満・反発の感情で押し返してくるのです。
これとは逆に、「力を貸してね」「ちょっと助けてね」という力を加えると、
協力や手助けという形でかえってきます。
このときの心は「自分を必要としている、認めてくれている」という満足感が作用しています。
相手の満足感を引き出すような言葉を工夫して使いたいものです。
出典:ニューモラル 心を育てる言葉一日一話
]]>上の二人の娘は大学へ進学してひと安心、末っ子の輝子さんも大学へ進学するものと考えていました。
ところが輝子さんは「製菓の専門学校に行く」と、進路を一人で決めてしまったようです。
初江さんにはそれが一時の感情に思え、なんとか大学進学を勧めたいと思うのですが……。
親は、常に子供の成長を喜ぶものです。
ところが、子供の考えが親の考えと違ってくると、つい親のエゴが顔をのぞかせます。
そうしたときは、親自身も自分の心の動きをじっくりと見つめてみる必要があるでしょう。
子供が持っている「自立しようとする力」や「生きる力」をよりよく引き出していくためには、
子供が何に喜びを見いだそうとしているのかを、子供の立場になって考えていくことが大切ではないでしょうか。
出典:ニューモラル 心を育てる言葉 366日
しかし、多くの物を所有し消費しながらも、
どこか満ち足りない思いを抱えて毎日を過ごしている人は少なくないのではないでしょうか。
一方、世の中には、生き生きとボランティア活動を行う人もいます。
そうした人たちのように、どのようにすれば人や社会の役に立てるかを考えることは重要でしょう。
それとともに、「自分の働きを通して、心豊かな人間関係を育んでいこう」と考えることも大切ではないでしょうか。
人生の充実、心の充実が求められている今こそ、「つながりの豊かさ」について考えていきたいものです。
出典:働く人の心を磨くモラルBIZ 第45号
]]>親も不完全な人間であることに変わりはないからです。
しかし、子どもの幸せを願わない親はいません。私たちがよりよい人生を送ろうと心がけること、
これこそが親の最大の願いであり、親の祈りであるといえるでしょう。
私たちが、ひとたび父母の深い愛に目覚めることができたときには、
両親の愛の背後に大自然の大きな働きを見ることができるでしょう。
また、父母の愛と同じような温かい大きな心で、他の子どもたちや人々に接することができたとき、
そこに万物を育てる大自然の働きにも似た、大きな愛の世界が広がることでしょう。
出典:ニューモラル 心を育てる言葉一日一話
]]>そのことを素直に受け入れられないときがあります。
ましてや誤解を受けたり濡れ衣を着せられたりして窮地に陥った場合は、
憤懣(ふんまん)やるかたない思いに駆られ、自分の正当性を強く主張するものでしょう。
もちろん相手の誤解を解いて、正しく理解してもらうための努力は必要です。
しかし、こうした場合もただ相手を責めるのでは、お互いの中に憎しみの心が育つだけではないでしょうか。
まずは“誤解を受けて非難されるのは、まだまだ日ごろの自分に人からそう思われるような不完全な部分があるからではないか”と、
みずからを振り返ってみるのです。
そしてますます謙虚に自分のやるべきことに努め、心を磨いて周囲への思いやりを尽くしていくと、
新たな道が開けてくるかもしれません。
出典:ニューモラル 心を育てる言葉 366日
心に強く残る誰かとの出会い、一生に一度限りの出来事との出合いなど。
そうした出会いによって、自分の心が変化することがあります。
それは相手や出来事が自分に何かを与えてくれたからというより、
出会いを通して自分の考え方や価値観が変わっていくことが多いからではないでしょうか。
そして、変化した自分の考え方と行動によって、新たな出会いやつながりが生まれることもあるでしょう。
言い換えれば、自分の心の成長にふさわしい出会いが訪れるともいえます。
その意味で、素晴らしい出会いは、待つものではなく、自分から求めて得るものだといえるのではないでしょうか。
出典:働く人の心を磨くモラルBIZ 第45号
]]>それは、家族は身近なだけに「照れくさい」とか「いまさら」といった気持ちが先に立つからでしょう。
しかし、思いやりの実行を身につけるには、まず家族の間で、小さなことであっても続けていくことが大切なことです。
家庭は人間関係の基本を学ぶ場所ですから、家庭生活の中で思いやりの実行を積み重ね、それが習慣になり身についた人は、
家庭を離れて一歩社会に出ても、知らず知らずのうちに周囲の人たちに感化をおよぼしていくことになるでしょう。
相手の立場に立った思いやりの実行は、周囲の人に温かな思いを与え、円満な人間関係を築いていきます。
出典:ニューモラル 心を育てる言葉一日一話
]]>行政の協力を得ながらも、地域の抱えるさまざまな問題を住民一人ひとりの協力で解決していこうとするものです。
例えば、「地域の大人が学校でお話をするなど、地域ぐるみで子供の教育を見守る」
「一人暮らしのお年寄りを訪問し、食事を提供したり、話し相手になったりする」等の活動を行っている地域もあるでしょう。
それほど身構えて行うことではなくても、ほんの少しの時間と労力を他人のために役立てることで、
地域に貢献することができ、また、自分自身も喜びと満足感を得ることができます。
何より、こうした活動を通じて自分たちが安心して気持ちよく暮らせる社会、子供たちが健全に育つ地域ができていくのです。
地域のために何ができるか、それを考えて行動に移すことが、初めの一歩ではないでしょうか。
出典:ニューモラル 心を育てる言葉 366日