尊い命を大事に
介護問題は他人事ではなく、自分の身に及んできて知る、精神的肉体的に受ける厄介な問題です。
私の場合は、後期高齢者夫婦の生活問題で、妻が75歳の時、予知もなく目が緑内障で、耳が補聴器が必要となり、その上に認知症の初期段階が発覚し、同時期に3箇所が病魔に冒され、一時心がパニックになり世の中が真っ暗になりましたが、縁あって夫婦になり、私にも責任がある訳で覚悟を決め、独り歩きできなくなった妻を、外出するときは必ず手を継ぎ、病院には同行して全面的にカバーしています。日常の生活も分担して妻には掃除と洗濯だけで、炊事関係その他は私が行い、買い物は2人で行っています。
当初はイライラして大きな声を出すこともありましたが、今では何の解決にもならないので、逆に優しく以前のように愛情を持って2人の子供を立派に社会に送り出してくれた妻に、今度は私が感謝の手を尽くす番だと割り切って、常に優しく悟すように接し、今は妻の方から面倒かけてすまないね、と言ってくれています。
要は他人じゃないから二人三脚で助け合って生きるしかないと、今は覚悟を決めて人生を締めくくりたいと思っています。病気はなりたくてなるものではなく、運悪く偶然になったもので、誰にでも起こりうる厄介もので、誰の所為でもなく自然の戒めかもと思っています。
何よりも短期にならず、優しく話し合い笑いのある生活を心がけることが大事だと思うし、私自身も以前のような体力もなくなりギリギリのところでがんばっている状況です。いずれにせよ、老齢者2人の生活で助け合って尊い命を大事に守り、天寿を全うする覚悟です。
(東京都・S.K/男性)