モラル
未来の子供たちへ

未来の子供たちへ
Yさん(2歳)は、少年時代におじいさんに連れられて山へ植林に出かけたときの思い出を、こう振り返ります。祖父は決まって言った。「今、植えている木は誰のために植えているのか分かるか? 俺のためではない。父さんのためでもない。みんなお前のためなんだ。三十年経って、お前が大きくなったら、切って売れば良い。切ったらその後に、必ずまた植えておくことだ。そうすれば、またお前の孫の時代に は役立ってくれる。家を守っていくとはな、そういうことなんだ」。きっとおじいさん自身も、両親や祖父母からそのように教えられてきたのではないでしょうか。先人たちは皆、自分だけが無事に過ごせればよいというのではなく、遠い未来の子孫たちの幸せを見つめて自分の仕事や生き方を考えてきたのでしょう。そうした思いのつながりを、大切に受け継ぎたいものです。
出典:ニューモラル 心を育てる言葉 366日