妻へ


私の妻葉子の父親は、長崎県で独り暮らしを送っています。その父親は今年の夏、ある病で体調を崩し、病院で手術を受け、現在も入院しています。葉子は入院の少し前から、父親の身の回りの世話と諸手続きの為に単身、長崎に帰省しています。
実は私と葉子は、それぞれに離婚や母親の介護を経験し、3年前に縁あって、48歳同士で再婚したばかり。
葉子の父親は、私たち2人の再婚を温かく見守り、後押しを
してくれた大切な人なのです。
今回の入院、手術では、葉子の兄弟や私は、仕事が忙しいことなども重なり、その殆ど全てを葉子一人に任せた状況となっています。身内が病気をした際、誰か一人の負担が大きくなることは、よくある話かもしれません。私自身も8年前、母親がくも膜下出血で倒れた際、救急搬送から緊急手術を経て、集中治療室、入院、リハビリの見守り、その他諸手続きの対応などを一人で行った記憶があります。当時、大変不安な思いをしたものです。
だから私は今、妻の葉子を誉めたいと思います。病院という場所には、独特な雰囲気があります。まして手術なら尚更です。たった一人で、無事に手術が終わるのを待つのは、やはり心細く、不安も大きかったと思います。今は携帯通話やメールで、リアルタイムで他の家族にも状況を伝えることはできるでしょう。しかし、その場にいてこそ感じる空気と緊張感は、やはり違います。手術後も献身的に病室に通い続け、父親を励ます葉子に、私は満点をつけてあげたいと思います。そして、葉子の願いが届き、義父が回復することを心から願っています。


(福岡県・T.I/50代・男性)