徳行は長年継続してこそ価値がある


徳行、すなわち道徳的行為を積み重ねていくことを「積徳」とい います。徳行は、長い年月継続していくことが肝要です。大げさに 「よいこと」をしても、それが短期間で終了してしまったら積徳とはいえず、真の幸福を得ることはできません。

何らかの社会貢献活動や慈善事業を行うのは、もちろん素晴らしいことに違いありません。例えば財力のある人が、そうした活動に 一時的に多額の寄付をしたとしましょう。もちろん寄付をしないよりは、したほうがよいに決まっています。その瞬間は感謝され、とても立派なことをしたと周囲から評価されるでしょう。しかし、それが実は売名目的であったりして、純粋な心から行ったものでなかった場合、行為そのものは立派でも、その人の心はいくらか濁っているといえます。

深い思いやりの心を持ち、少額であっても長年にわたって途切れ ることなく寄付し続けている人がいたとしましょう。その人は、さらに絶えず人の幸せを祈り、その心が救われるように努力を続けました。このような生き方こそが真の「積徳」であり、本当の意味で幸福な人生を送ることができるのではないでしょうか。また、社会 的地位や財力が上がれば、それに応じて行動もレベルアップさせることができるはずです。


出典:「三方よし」の人間学-廣池千九郎の教え105選