心の中の「我」を浄化する


自分こそが正しいという「我」は、知らず知らずのうちに私たちの心の中に忍び込んできます。物事が思うように運ばなかったり、思わぬ障害に出会ったりしたときこそ、その原因は自分の心の中にひそむ「我」にあるのではないかと、反省してみることが大切です。そして、穏やかに相手の立場に立った思いやりの心をはたらかせていけば、自分中心の「我」の心が少しずつ浄化され、弱まっていきます。

それはちょうど、濁った水が入ったコップにきれいな水を少しずつ注ぐようなものです。コップの中の水は、すぐにきれいにはなりませんが、長く続けていくと、必ず澄んだきれいな水になります。心もこれと同じです。

心の通い合う豊かな社会を築くために、一人ひとりが自分の心にひそむ「我」に気づき、それを少しずつ穏やかで温かい心に変えていきたいものです。

(四七〇号)


出典:ニューモラル-心を育てる言葉366日