モラル
老いと生きがい
長寿社会を迎えた日本。これはたいへん喜ばしいことですが、老いてからの人生が長くなると、老後の生き方が問われるようになります。
定年後も長く続いていく人生をいつまでも生き生きと過ごす秘訣として、社会教育家の田中真澄氏は「老後も自分の好きな仕事に従事すること」を提案しています(参考=『田中真澄のいきいき人生戦略』モラロジー研究所)。
みずからの人生の目標や生きがいとなり得る「仕事」の存在は、私たちの毎日に張りと潤いを与えてくれます。しかし、仕事とは必ずしも「報酬を得るための職業」に限らないでしょう。私たちは、家庭内での役割やボランティア活動を含めて、なんらかの「仕事」に前向きに取り組むことで、自分自身も喜びを得ながら、持てる力を周囲の人々のために役立てていくことができるのです。
(四九三号)
出典:ニューモラル-心を育てる言葉366日