自分、相手、第三者を生かす


社会生活を送るうえで、一人ひとりが心得て守っていかなければならない「道」というものがあります。人は良心に基づき、善い行いを重ねていくことで、人格が磨かれていきます。これを私たちは「道徳」と呼んでいます。
道徳は、大きく二種類に分けることができます。一つは、長年にわたって習慣的に行われてきた社会のルールやマナーともいうべきものです。お辞儀や挨拶をするとか、上座と下座を守るとか、どちらかといえば形式的なものが中心です。これらも大切ではありますが、国が変われば通用しなかったり、単なる習慣になっていて心が込められていなかったりする場合もあります。
これに対して、世界の諸聖人の教えや行いに基づく、より高いレベルの道徳があります。諸聖人とは、例えば古代中国の思想家である孔子、古代ギリシャの哲学者であるソクラテス、仏教の創設者である釈迦、キリスト教の始祖であるイエス・キリストといった、「人類の教師」とも言われる人たちのことです。
彼らが遺してくれた教えは、全人類共通の遺産であり、世界最高レベルの道徳といってもいいでしょう。私たちも自分、相手、第三者を含むすべての人々を生かし、お互いの品性を高め合う道を探求し、素晴らしい人生を送っていきたいものです。


出展:「三方よし」の人間学コラム